少し昔のはなし、人里離れたある集落に、ある夫婦が住んでいました。
夫婦はとても仲が悪く、喧嘩が絶えなかった。
そしてついにある日、口論の末に夫は妻を殺害してしまった。
遺体を見つからない場所へ隠した夫は、その後何事もなかったように生活をしようとするが、一つの問題があった。
その夫婦には子供がいたのだ。
「子供には何と言えばよいのか…」
そう悩んでいるうちに、数日、1週間と時が経ち、1ヶ月が過ぎようとしていた。
しかし不思議なことに、子供は全く母親の行方を聞こうとしない。
もしやこの子も母親が嫌いだったのか?いやそれにしても、全く母親の話題を口にしないのはおかしい…
たまりかねた夫は、思い切って探りを入れてみることにした。
「なあ太郎、お母さん何処行ったと思う?」
するとその子供はこう答えた
「ん?いつもおとうさんのうしろにいるじゃん」
0 Comments