進化上「3本足の生物」はなぜ存在しないのか?!


生き物の進化上「3本足の生物」はなぜ存在しないのか?!

事故や戦闘などで足を失ったケースや先天的な奇形を除いて、3本足の生物は自然界ではほとんど見られません。なぜ3本足の生物が存在しないのか、カリフォルニア大学デービス校で地球惑星科学を専攻しているトレイシー・トムソンさんが考察を述べています。

トムソンさんがまず指摘するのは、「3本足を持つ生物は見られないが、2本の足ともう1つの部位(尻尾など)の3点で休息する生物は多い」という点です。この指摘の例が、ミーアキャットやキツツキ。ミーアキャットは2本の足と尻尾を使って直立して休憩します。

キツツキもまた、2本の足と尾羽を使って木につかまります。

トムソンさんによると、樹上性の動物の多くは手足以外で体を支えるために尻尾を使用しており、3肢運動をしているといえるとのこと。その中でも、特にオウムは3つめの支えとして「くちばし」を使用するそうで、トムソンさんはオウムを「ほとんど3本足」と表現しています

3点で立つメリットは、体を安定させやすいということ。2本の足で直立し続けるには、バランスを取るための大きな足と、体を安定させるための足の筋力が必要です。

一方で、3本足には「歩けない」というデメリットも存在します。カンガルーは巨大な尻尾を有する生物ですが、その尻尾の大きさゆえに歩くことができません。カンガルーは尻尾を使って、飛び跳ねて移動します。

一部の動物は尾やくちばしを使って3肢運動をしているわけですが、それでも自然界には3本足の生物がほとんど存在しません。その理由についてトムソンさんは、「遺伝が原因」と語り、「ほとんど全ての動物は左右対称です。進化によって足やひれなどを持つようになる以前の段階から、生命には『左右対称になる』という遺伝子が埋め込まれている可能性があります。そして、左右対称という特性がひとたび定着した後は、ほとんど変化がなかったのだと思います」と述べました。

トムソンさんは今回の考察について、「進化を1つのプロセスとして理解するためには、まず『進化によって起こりえること』と『進化によって起こりえないこと』を理解することが必要です。今回の考察は、『起こりえなかったこと』に関する洞察を深めるのに役立ちます」とコメントしています。

情報・翻訳先

Three‐Legged Locomotion and the Constraints on Limb Number: Why Tripeds Don’t Have a Leg to Stand On – Thomson – 2019 – BioEssays – Wiley Online Library

Why Not Three Legs? – Egghead


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