【科学】Wi-Fiで壁の向こうにいるのが誰か分かる新技術を発表


カリフォルニア大学サンタバーバラ校の研究者らは、「Wi-Fiを使用して壁の向こうにいる人物を識別することができる新技術を開発した」と発表しました。

「XModal-ID」と呼ばれるこの技術では、Wi-Fiの信号により人の動作を検知して別の映像と照合することで、検知した人物が映像の人と同一人物かどうかを高い精度で判別することが可能だとのことです。

 

XModal-IDの原理そのものは単純で、映像を元に歩き方の特徴を抽出し、それをWi-Fiの信号から検出した人の動きと照合するというもの。

 

Wi-Fiの信号を検知するのに使われるのは、こんな感じの2基1組のWi-Fi送受信装置で、一般に市販されているものだとのことです。

 

精度は高く、8人の人物を記録した合計360件の映像及びWi-Fi信号を用いたテストでは、89%の確率で特定の人物だけを識別することができました。

 

Wi-Fi送受信装置の前を横切るように歩いても…

 

Wi-Fi送受信装置から離れるように歩いても精度は変わりません。

 

機械学習などにより動作を学習しているわけではないので、事前に学習用のデータを用意して人物の動きをトレーニングしたり、あらかじめWi-Fiで検知するエリアを測定しておいたりする必要もありません。識別したい人が歩行している映像さえあればOKです。

 

原理は単純でも、使われている技術は高度なもの。まず歩行映像を解析する段階では、メッシュ復号アルゴリズムにより映像から全身3Dメッシュモデルを作成し、ボルン近似によりその人物がWi-Fiエリアを歩いた際に発生する電磁波の乱れをシミュレーションします。

 

その後、実際にWi-Fi送受信装置で測定された信号を短時間フーリエ変換エルミート関数などの方程式を活用して分析し、電波信号のスペクトログラムを取得します。そして、歩行映像のシミュレーション結果から得られたスペクトログラムと比較して照合することで、人物の識別が可能になるというわけです。

 

この技術を活用すると、例えば監視カメラに映った強盗犯が覆面を被っていて身元が分からなくても、潜伏先と思われる家の前にWi-Fi送受信装置を置くだけで、犯人がそこにいるかどうかを確かめることが可能なので、安全かつ効率的に捜査を進めることができるようになります。

 

XModal-ID: Through-Wall Person Identification from Candidate Video Footage Using WiFi

Researchers’ new method enables identifying a person through walls from candidate video footage, using only WiFi


0 Comments

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)